【読書レビュー】大河内薫、若林杏樹著「お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが、税金で損しない方法を教えてください!」【要約】&【感想】
みなさんは、税金についてどういうイメージがありますか?
私は、複雑でめんどくさい、たくさん取られているというイメージがありました。
著者は、きちんとした税金の知識を知れば知るほどお得になるといいます。
そして、必ずしも税金のことについて完璧である必要はないというのです。
ちゃんと税金の知識を学んで税金と誠実に向き合っていけば、不安になることはないのです。
みなさんは、税金を納めたことはありますか?
「商品を買ったり、サービスを受けたりしたときに消費税を取られている!」
と思われた方も多いと思います。
では、「確定申告」や「源泉徴収票」、「社会保険」、「青色申告」などといった言葉は聞いたことがあるでしょうか?
そして、それぞれ、どういうものなのか知っているでしょうか?
確定申告をものすごく簡単に説明すると、1年間で得た所得を計算して、納める税金の金額を確定する手続きです。
確定申告をすることで、納めすぎた税金が戻ってくる場合もあります。
青色申告をものすごく簡単に説明すると、税金を安くできる優遇措置がある確定申告の方法です。
私は、約20年、サラリーマンとして働いてきました。
税金の手続きはすべて職場でやってくれるので、私が税務署に行って確定申告をすることはありませんでした。
社会保険についても手続きは職場ですべてやってくれるので、私はノータッチでした。
社会保険をすごく簡単に説明すると、健康保険や介護保険や厚生年金保険などのことです。
一番馴染みがあるのは、健康保険制度だと思います。
ものすごく簡単に説明すると、病院に行ったときに、治療費が3割負担で済む制度です。
源泉徴収票は年に1回、職場からもらっていました。
ですが、もらったときに「ふ~ん」とチラ見するだけでした。
その後は、ずっと机の引き出しの奥に数年分まとめて放置されている状態でした。
源泉徴収票をものすごく簡単に説明すると、職場でいくら給料を払って、いくら税金を徴収したかが記載されている書類のことです。
このような状態でしたので、私は、税金を収めることについてほとんど何も知りませんでした。
なので、節税をしようなどと考えたこともありません。
サラリーマンだと税金を納める痛みを直に感じることがありません。
なので、税金に対して興味・関心を持ちにくいのかもしれません。
もしかすると、そんなぐうたらは私ぐらいかもしれません。
そんな私も昨年、生命保険の掛金について確定申告の手続きをしました。
この手続をすることで、納め過ぎた税金の一部が戻ってくるのです。
サラリーマンの私がなぜ自分で確定申告をしたかというと、私が休職中だったためです。
私も最初は
「えっ。年末調整って職場でしてくれるんじゃないの?」
と思いました。
ネットで調べても、休職中であろうと職場に籍がある限りは、年末調整は職場でやってくれる情報しか出てきませんでした。
そこで、職場の担当者に、なぜ私が自分で確定申告をするのか理由を聞いてみました。
理由は「12月までのあなたの収入額を職場で確認することができなかったので、自分でやってもらうことになりました。」
という回答でした。
「?????」
とにかく、そのような状況になったので、私は初めて税金を納めることと向き合うことになったのです。
なので、まずは入門書として簡単に分かりやすく税金のことについて書かれている本を探しました。
そんな中、たまたまユーチューブで著者の大河内薫さんが税金のことや本書のことについて話している動画を見る機会がありました。
大河内さん自身、見た目はとてもラフな方です。
その姿からもフリーランスの人向けに分かりやすく税金のことについて話してくれている雰囲気が伝わってきました。
税金のことを知る最初のとっかかりにして欲しいことを強く意識されているようでした。
その工夫の一つとして、本書をマンガで描いてくれています。
また、特に強調されていたのは、フリーランスの方に対して書かれたということでした。
私は今の仕事を辞めたいと考えていたので、ちょうどいいと思いました。
私は、これまで税金を納めることに関わりがありませんでした。
なので、税金というと「堅苦しい」、「難しい」というイメージがありました。
ですが、本書は9割近くがマンガで書かれています。
その点、堅苦しさや難しいというハードルはかなり低く下げられています。
個人で事業をした場合と会社で事業をした場合、どちらが税金的にお得なのでしょうか?
また、税金の制度はそれぞれどう違うのでしょうか?
本書では、個人と会社の場合に分けて、具体的に納める税金額をシミュレーションしてみたり、具体的な例をあげて書かれています。
税金のことをほとんど知らない私でもとても読みやすいものでした。
私は、本書を読み進めるうちに、このような大事なことを、何故、学校で教えないのだろうと不思議に思うようになりました。
著者も
「学校でも会社でも教えてくれない大切なこと」
「税金を義務教育に!」
と強調されています。
私もまったくそのとおりだと思いました。
英語やプログラミングを義務教育に取り入れる前に、税金やお金についての知識を学ぶ必要があるのではないかと思いました。
住民税や消費税、社会保険などは、社会人になれば必ず関わりを持つようになります。
こんなにも身近に関係があり、しかも大事なお金が関わっている話です。
私は、何故、自分が今までほとんど税金に関心を持たなかったのか自分に疑問を感じたくらいです。
やはり、私がぐうたらなのでしょうか。
また、税金の知識があるのとないのとでは、今後の生活費に大きく関わってきます。
税金から逃れようというわけではありません。
ですが、節税できるようなことや、お得に利用できる制度があれば、使わない手はありません。
みなさんは、税金をきちんと納めないと、どうなると思いますか?
何か罰が待っているのでしょうか?
その一方で、なるべくならあまり税金を納めたくないと思ってはいないでしょうか?
国税局査察部の活動を描いた「マルサの女」という映画があります。
映画を見られた方は、「きちんと税金を納めなければ、逮捕されてしまう!」
というイメージがあるかもしれません。
私は逮捕まではされないまでも、申告漏れがあれば税務署に目をつけられ、厳しく指摘されたりするのではないかと思っていました。
そもそも国は税金を納めようとする人は大歓迎のはずです。
むしろ、大切にしなければいけないお客さんであるはずです。
税金のことや税金を納める手続きでわからないことがあれば、気軽に税務署に問い合わせて聞けばいいのです。
実際にそのようなことができるそうです。
時々、税理士の方が無料の相談会を開いたりもしているそうです。
そういった相談会を利用してみるのもいいかもしれません。
税金のことなら税理士という税のプロもいます。
ですが、こちらは相談するにもお金が必要になります。
確定申告の手続きなども頼むことができます。
ですが、15万円から20万円ほどの費用がかかるようです。
確かに、税理士に頼んで手続きをしてもらえば間違いはないでしょう。
仮に税務署から何か言われても、代理として対応してくれるのでとても心強く助かると思います。
億単位で稼いでいるような人は、税理士にきちんと頼む方が安心、安全だと思います。
ですが、細々と個人で仕事をするのであれば、自分で税金の勉強をして、ある程度のことは自分でも分かっておいた方がいいと思うのです。
税理士に頼めば、確かにすべてきちんとやってくれるでしょう。
ですが、そうなると頼んだ本人は何も税金のことに関わらなくて済むようになります。
なので、ますます税金の勉強をする理由や機会がなくなります。
私は、めんどくさいことはなるべく避けようとするタイプです。
そんな私の場合、必要に迫られるからこそ、自分でなんとか本を読んだり、ネットで調べたりして知識を習得しようとするわけです。
最初は、ゼロからのスタートでしんどく感じるかもしれません。
ですが、本書のように初心者でも分かりやすく、読みやすい本もあります。
それでいて、基礎的なことはしっかりと学べます。
著者もユーチューブで
「今回の本は、初心者が入門書を読む前の入門書です。」
といったことを話されていました。
私のように税金のことをほとんど知らなくても困らないのは、それだけ日本が豊かということかもしれません。
ですが、今後は日本の経済状況もどうなっていくかわかりません。
税金のことについては、フリーランスの方に限らず、子供から老人まですべての方がよく知っておいた方がいいと思います。
本書は、税金のことに詳しくない大人だけではなく、すべての学校の図書館に置かれてもいいのではないかと思います。