ラファエル著、「無一文からのドリーム」

YouTuberとして活躍されているラファエルさんが、その生い立ちからどのようにしてYouTuberとして活躍するようになったのかということを書いてくれています。

 

ラファエルさんは白い仮面をかぶり、グレーのフードをかぶってユーチューブ活動をされている方なので、謎の部分も多い方です。

 

ラファエルさんは、なぜ、仮面をかぶって活動をしているのか?

どういった経歴がある人なのか?

なぜ、YouTuberとして大成功したのか?

どのような環境で生まれ育ち、学生や社会人時代に、どのようなことを考えて、どのような活動をしてきたのか?

 

本の中では、そういったことを分かりやすく具体的な話を交えながら書いてくれています。

 

私はこれまで、ラファエルさんの動画は、ほとんど見たことがありませんでした。

ですが、この本を読んで、ラファエルさんに対するイメージは、180度、変わりました。

 

動画で見るラファエルさんと、本を読んで浮かんでくるラファエルさんの姿には大きなギャップを感じました。

 

動画では、一見、無茶苦茶やっているだけに見えるかもしれません。

 

ですが、ラファエルさんの生い立ちやこれまでやってきたこと、実はちゃんと計算して考えてやっているという話を読んで、動画の見方が全く変わりました。

とても興味深く最後まで読み進めることができました。

 

この本は、ラファエルさんのことについて、端的にまとめられて書かれています。

ラファエルさんのユーチューブを見ている人で、ラファエルさんのことはある程度知っているという人もいるかもしれません。

 

ですが、ラファエルさんがどういう人なのか、生い立ちからYouTuberになるまでのことを簡潔に詳しく知りたいという人。

 

YouTuberとして活躍できるようになるためには、どういったことをすればいいのか?

どういった考えでやっていけばいいのか?

といったことを探したい人にとっては、とても参考になるのではないかと思います。

 

ラファエルさんは、かなり貧しい家庭状況の中で生まれ育ったようです。

 

それでも、悲観的に考えることはなく、ただ、前を向いて進んでいくことだけを考えていたといいます。

ラファエルさんの幼少期のことについては、本の中に詳しく書いてくれています。

 

ラファエルさんの幼少期の状況は普通の家庭で育っている子供よりも、苦しく辛い状況にあったと思います。

 

普通は悲観的な考えやゆがんだ考えをもって育ってしまいそうに思えます。

ですが、そもそも、失うものなど何もない、という開き直りの考え方を身に付けることができたといいます。

 

ポジティブに考えることを自分に言い聞かせてきたのだといいます。

 

この話だけを聞くと、ちょっとした些細なことのように思えます。

ですが、ネガティブに物事を見たり考えたりしていくのと、ポジティブに物事を見たり考えたりしていくのとでは、後々、大きな差になって現れてくるのだと思います。

 

私は、自分の幼少期を振り返ると、経済的には裕福とまではいかないまでも、普通くらいでした。

ですが、思い出としては、両親の喧嘩やいじめっ子におびえていたことなど、いい思い出は全くありません。

とても、なんとかなるとか、失うものは何もない、などと考える余裕や知恵などありませんでした。

そもそも、あまり小さい頃の記憶自体、残っていないというのが正直なところです。

 

幼少期については、ラファエルさんと私は少し、似たようなところがあるなと感じるところもあります。

辛く厳しい状況にあった幼少期のラファエルさんですが、他人の誰とでもすぐに打ち解けて、仲良くなれるという特技があったそうです。

 

私は、どちらかというと引っ込み思案な性格でした。

それだけに、私は、よくそのような状況で、人と打ち解けて仲良くなれる能力が身についたものだなと不思議に思いました。

 

中学、高校時代、ラファエルさんは勉強が嫌いで、勉強はしなかったそうです。

成績も一番悪かったそうです。

その代わり、運動はかなり得意だったようです。

 

本の中では、ラファエルさんの中学、高校時代の生活の様子について、詳しく書いてくれています。

 

学校の勉強はしなかったようですが、早くから社会に出て働くことで、お金を稼ぐことや現実社会で必要な力や能力は何か、ということを実体験として学ぶことができていたのではないかと思います。

 

私も含め、多くの人からすれば、ここまでのラファエルさんの人生を見ると、かなり不利な状況にあったのではないかと思います。

 

それでも、悲観的になることもなく、人生に行き詰まることなくやっていけたのは、それだけでもすごいことなのではないか思います。

 

同時に、ラファエルさんの生き方からは、なんとかなる方法あるということや、進むべき道はいくらでもあるのではないかと希望を持たせてくれるように感じます。

 

それと、私が驚いたのは、ラファエルさんは、とても自己成長欲求が高い人だということです。

 

それは自分に対してもそうですし、他人に対しても求めている考えのようです。

つきあう女性に対して、ともに成長していかなければ長く交際を続けることはできない、という考えは私は完全同意です。

 

このことは、付き合う女性だけに限らず、友人や家族など、他の人すべて当てはまるのではないかと思います。

 

高校生の時点で、人は人、自分は自分と割り切って考えることができる思考力を持っていたり、散々、ひどい目にあってきたからこそ、自分は強くなれたとポジティブにとらえて考えることができていたというのは、かなり高校生離れした大人の考えではないかと思います。

 

普通に周りの人たちと同じような学生生活を送っていれば、そのようなシビアで現実的な考え方を持つことはできなかったのではないかと思います。

 

自分自身の中高生時代のことを振り返ると、ラファエルさんは私などと比べると格段に大人だなと感じずにはいられませんでした。

 

現実にある厳しい状況から逃げたり、目を背けることなく、それらのことを真正面から受け止めて、そのうえでさらに、自分ができることや自分がやりたいことをコツコツと積み重ねていったことが、大きな成長につながっていったのではないかと思います。

 

ラファエルさんの社会人時代の生活について詳しく書かれています。

特に、自衛隊時代やその後の営業マン時代のエピソードについて詳しく書かれています。

 

それらの話の中に、ラファエルさんがYouTuberとして活躍するようになる下地や、ものの考え方、ラファエルさん自身も知らなかった自分の能力を発見していったことなどについて書かれていて、とても興味深く読むことができました。

 

努力とセンス、本当に必要なのはいったいどっちなのでしょうか?

努力して、でできないことはあるのでしょうか?

 

本の中には、ラファエルさん自身の体験談を基に、そういったテーマについても書いてくれています。

 

将来YouTuberとして活動したい方、あるいは、もうYouTuberとして活動している方。

YouTuberだけではなく、別の仕事をしている人や学生さんにとっても、参考になる話はあるのではないかと思います。

 

ラファエルさんは、学生時代、全く勉強をしてこなかったそうです。

当然、成績は最低のままだったそうです。

 

そのような方が、どうやって社会人生活の中で、能力を発見して磨いていったのでしょうか?

また、どのようにして、自分の長所や短所の部分に気が付いていったのでしょうか?

 

もしこの本を読まれる方がいれば、自分のことに当てはめながら考えて読んでみるのもいいのではないかと思います。

 

私は、最初、この本を読んだ時は、ラファエルさんは自分に似ているところがある、と思うことが多くありました。

 

何度も読んでいるうちに、確かに似ているところはあります。

一方で、決定的に違う部分もあるなということに気が付いてきました。

 

どのように、ラファエルさんの話を読んでいくのか?どのように自分の性格やタイプと照らし合わせて読んでいくのか?によって読み方や感じ方、受け取り方もかなり違ってくるように思いました。

 

私にとっては、とても多くの気づきを得ることができたと思っています。

 

YouTuberとしての活動を始めてからのラファエルさんは、果たして順調だったのでしょうか?

 

順調に進むこともあれば、思わぬアクシデントに見舞われることもたびたびあったようです。

どのようなアクシデントがあったかは、本の中に詳しく書かいてくれています。

とても興味深く、楽しんで読むことができるのではないかと思います。

 

私が、一番驚いたのは、ラファエルさんは、YouTuberという仕事を、とても細かくシビアに分析しているということです。

 

ユーチューブというのは、今、どういった時代の流れの中にあるのか?

自分ができること、できないことは何なのか?

どういったことをしていけば、YouTuberとして稼いでいくことができるのか?

といったことをとても細かく、分析されています。

 

それと同時に、自分自身のことについても、細かく分析をされています。

 

顔出し、名前出しをして活動されているYouTuberの方は多いです。

そんな中、ラファエルさんは、素顔も隠し、本名も出さずに活動をされているマレな存在です。それにも関わらず、トップクラスのYouTuberとして活躍されています。

 

YouTuberとして活動するのであれば、顔出しや名前を出して活動した方が、売れやすいというのを聞いたことがあります。

 

私自身、顔も出さず、名前も出さずにYouTuberとして活動しています。

なので、ラファエルさんが顔も出さず、名前も出さずに活動されている理由がよく理解できるところがあります。

 

また、顔も名前も隠して活動しなければいけない、という緊張感や危機管理意識もよく分かります。

 

ラファエルさんは自分自身でも自己管理が得意だといいます。

ユーチューブ動画の内容だけではなく、顔と名前を出さずに、YouTuberとして活動していくことの大変さや、気を付けなくてはいけないこと、将来的な

展望のことなど、私にとっては、参考になる話が多かったです。

 

これだけの売れっ子YouTuberなのにも関わらず、別に有名になりたいわけではないというのは、これまでの有名人の中にはあまりいない、とても斬新な考えをもたれている方だと思います。

 

これまでメディアと言えば、テレビやラジオ、新聞、雑誌でした。

特にテレビという映像メディアの世界で活動するということは、プライベート部分も少なからず出てしまうということとセットだったと思います。

 

ですが、ラファエルさんは、ユーチューブの場合だと、「稼ぐ」ということと、「人気者になる」ということを切り離して実現することができるということを、実際に実現して証明してくれた、とても貴重な存在だと思います。

 

私の場合、元妻や母親からの強い反対もあって、プライベート情報があまり分からないようにするために、顔と名前を出さずにユーチューブ活動をしています。

ユーチューブ動画も最初の頃はほとんど再生されず、見られることはありません。

ですが、それでも、見る人は見ています。

 

ユーチューブ活動をするうえで、家族の協力や理解を得ておくということはとても大事なことだと改めて思いました。

 

具体的なラファエルさんの仕事のテクニックが紹介されています。

 

とても参考になるものばかりです。

YouTuber以外の職業の方でも、どれも参考になるものばかりだと思います。

 

どのようなテクニックかについては、本の中に、とても分かりやすく、具体例や体験談を交えて書いてくれています。

 

その中でも、私が一番参考になったのは、ラファエルさんの徹底した自己管理力というところです。

 

何故かというと、今の私に一番欠けているところだからです。

確かに、私は、今、うつ病療養中ということで、元気なラファエルさんと同じようなマネはできないかもしれません。

 

ですが、ラファエルさんほど徹底した自己管理まではいかないまでも、少しでも今の自分に自己管理力をつけたり、取り入れることはないか、あるいは、今の自分でもできることはないかと考えることができました。

 

実際に、私が自己管理について始めてみたことは、睡眠時間の管理です。

これまでは、寝坊を心配する必要がないことや、なかなか眠れないということを理由に、夜遅くまで起きていることが習慣になっていました。

 

ですが、早寝、早起きといった基礎的な生活習慣にしていくことは、うつ病のリハビリにとってもいいことです。

 

なので、少しずつですが、寝る時間を早めていくことにしました。

すると、不思議なもので、これまでよりも、生活のリズムが良くなってきた気がします。

 

早く寝る分、やれることが少なくなったところもあります。

ですが、「無駄なことをやらない」ということを決めたことで、逆に「限られた時間をいかに有効に使うか」ということに意識が向くようになりました。

 

結果的には、より良い方向に向かっているのではないかと感じています。

他にも色々と具体的な方法を紹介してくれています。

 

ですが、そのままラファエルさんのマネをしなくてもいいと思います。

同じようにマネをしても、できないこともあるのではないかと思います。

 

それよりも、自分ならどのようにラファエルさんのテクニックを使うか、どのように生かしていくか、ということを自分なりに考えて実行していくことが大事ではないかと思います。

 

YouTuberという職業はまだ、珍しい特殊な仕事だととらえられているところもあるかもしれません。

 

ですが、成功しているYouTuberの方たちは、特別な才能があったり、最初から特別なことをしているわけではないと思います。

 

普通の人でもできることを、地味にコツコツ努力して、研究している結果だと思います。

 

多くの人にとって、トップYouTuberであるラファエルさんから、きっと何かいい気づきや学びのヒントを見つけることができるのではないかと思います。