【読書レビュー】佐藤優著「読書の技法」【要約】&【感想】

みなさんは、どのような本を読んでいますか?

 

著者は、本には3種類あるといいます。

「簡単に読むことができる本」

「そこそこ時間がかかる本」

「ものすごく時間がかかる本」

の3つです。

 

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読みやすいからといって内容が薄い本というわけではありません。

著者は、読まなくてもいい本をはじき出すために速読をするそうです。

そして、あまり上級の知識を身に付けようと欲張らないことが大事だといいます。

 

読書をすることで最も大切なことは、自分の知識を使って、現実の出来事を説明できるようになることだからです。

 

著者は、熟読の具体的な方法を紹介してくれます。

「本にシャーペンで印をつけながら読む」

「本に囲みを作る」

「囲みの部分をノートに写す」

「結論部分を3回読む」

などです。

 

まず、本を読むための基礎知識はどのように身につければいいのでしょうか?

また、どうすれば自分にどの基礎知識がないことが分かるのでしょうか?

 

著者は、大学入試のセンター試験の活用を勧めています。

一番いいのは、センター試験の過去問を解いてみることです。

そうすれば、自分がどの知識が足りていないのかを知ることができるといいます。

ですが、実際にそこまでするのはとても面倒ですよね。

 

著者は科目ごとに高校生が使うお勧めの教科書と学習参考書を紹介してくれます。

実際に、センター試験を受けなくても、それらの書籍を参考にして勉強してみるのもいいと思います。

 

何もすべての科目を勉強することはありません。

まずは、自分が興味・関心がある科目、好きだった科目から読んでみてはいかがでしょうか?

 

私の受験勉強は、ただやみくもに自己流の勉強をしていただけでした。

私も、自分が中学・高校時代に本書を読んで勉強の仕方や学習参考書を知っていれば、かなり違った進路を進んでいたのではないかと思います。

 

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私は40代半ばになります。

それでもこれからは人生100年時代になることを考えれば、まだまだ折り返し地点にも来ていないのです。

何もこれから勉強を始めるのに遅くはないのです。

 

今からでも自分が欠けている基礎知識を補い、よりレベルの高い読書ができるようになればどうでしょうか?

そうすると読書の幅も広がります。

古典と言われる本も読めるようになります。

 

古典を味わって読むことができれば、間違いのない知識、古びない知識を得ることができます。

そうすると、人生がより豊かになり、より人生を楽しむことができるようになります。

 

年齢を気にすることはないと思います。

今からでも何かできることを少しずつ始めてみてはいかがでしょうか?

 

私は、早速、著者がお勧めする、現代文と数学の学習参考書をアマゾンで注文しました。

私も高校生の時に、学習参考書を使ったことがあります。

ですが、著者がお勧めしている学習参考書は、私が使っていた学習参考書とはまったく違いました。

著者が勧める学習参考書は、「学習参考書」というよりも、「一般書」といった読む本に近い感じがします。

 

数学は、数式を使いながら問題を解いていきます。

また、問題を解く前にあらかじめ公式を覚えておく必要があります。

 

ですが、私が高校当時、それら数式や公式について、日本語で意味を解説してくれる教科書や学習参考書はありませんでした。

学校の先生も授業で説明してくれることはありませんでした。

 

私は、数式や公式にもそれぞれ意味があるのだから

微分」とはどういう意味なのか?

積分」とはどういう意味なのか?

それらのことが教科書できちんと日本語で説明されていなければおかしいのではないか?

意味も分からずに数学の問題を解いていくのは、ただの作業じゃないか?

などと思っていました。

 

意味が分からなければ自分で調べればいいようなものですが、当時の私にはそんな知恵すらもありませんでした。

そんな私にとって、約20年越しに疑問を解決できるいい機会でした。

 

アマゾンで注文した数学の本には、私が高校当時から疑問に感じていたことが、見事に書かれていました。

  

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 著者は、数学や外国語は、教科書や参考書を読むだけで理解することは不可能だといいます。

それらの勉強は、体で覚える技術の要素があるからだというのです。

これをギリシア語で「テクネー」というそうです。

 

確かに、外国語は言葉なので「読む」、「書く」、「話す」ということを実際に使ってみてなんぼだろうというのはわかります。

また、外国語を話せる人でも、しばらく外国語を話す機会から遠ざかると、話せなくなるということを聞いたことがあります。

 

でも、まさか数学にも同じようにテクネーの要素があるというのは驚きました。

私は、そのような知識もないまま、学生時代、受験に取り組んでいたわけです。

 

車の運転と同じで、知識と体で覚える技術が一緒になって、自然に使えるようになるのです。

そこまでにならなければ、本当に自分の身に付いたとはいえないのかもしれません。

何かを習得していくというのは、どの分野にも共通するようなことがあるように思います。

 

著者は、毎月約300冊の本を読むそうです。

ですが、その中でも熟読をしている本は4~5冊ということです。

残りの本は「速読」あるいは「超速読」で読んだりしているようです。

 

著者は、速読するにも本に書かれている内容の基礎知識がなければ、速読はできないといいます。

このことは、私がこれまで読んできた他の速読本にも書かれていました。

また、私自身の読書体験からも同様なことは感じています。

 

元も子もない話ですが、知らない内容の本は速読することができないわけです。

言われてみれば当たり前のことかもしれません。

 

当たり前で地味なことだけれど、しっかりとした内容を書いてくれる著者にはとても感謝しています。

読者からすると限られた時間を有効に使うことができるからです。

そして、結果的には最短距離で読書の技術を学ぶことができるのです。

 

世の中には、超天才のような人がいて、難しい本でも軽々と内容を理解して速読ができる人がいるのかもしれません。

ですが、私のような超凡人にとっては、ゼロからコツコツと積み上げていくという地味な作業がどうしても必要になります。

 

速読に関する本を探せば、フォトリーディングなどたくさんの速読についての本があります。

私も速読についての本を3冊ほど読んだことがあります。

「2行分まとめて読む」

「目次、まえがき、あとがきを先に読んで本に書かれている概要を先に頭に入れておく」

「内容が分からなくても何回も読んでいくことで、理解できるようになる」

というような内容でした。

 

私も速読の本で読んだことはすべて実践してみました。

2行まとめて読む方法は、1行まとめて読むことさえもできませんでした。

 

目次、まえがき、あとがきを先に読む方法は使えると感じています。

本を読む前に、あらかじめおおまかな情報を頭に入れておくことで、ウォーミングアップの効果があると感じています。

 

内容が分からなくても読み進めていく方法は、本の概要を掴むことはできるかもしれません。

本の内容を十分に理解することはできないまでも、続けて2回目を読む必要があるか、今後、いつか読む必要がありそうかどうかといった判断はできると思います。

そういう点では使える読み方かなと思います。

 

結局、私は、本を自分のペースで読んでいます。

 

速読では難しい本や古典と言われている本の内容について、まともに理解して読むというのは難しいことです。

なので、私は、自分のレベルに合った読みやすいものを選んで読むようにしています。

それでも別に、読みたい本はたくさんあるので読む本に不自由することはありません。

 

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また、読みやすいからといって、内容が薄いとか価値があまりないということはないと感じています。

それは、たくさん読んでいるうちに、自分にとって必要な本、価値がある本を選べるようになってきていることもあるかもしれません。

 

また、最近は、難しい内容をとても分かりやすく書いてくれている本がたくさん出ているように思います。

読者からすれば、とてもありがたいことだと感じています。

 

ですが、いくら読みやすいからといって1回読んだだけで内容が身につくことはありません。

 

私の場合、最低2回は読んでから、本の内容をブログに書くようにしています。

自分の感想も交えてアウトプットすることで、本の内容がより身に付くようになります。

 

結局、ブログを書くとなると、2回どころかさらに何度も読み返すことになります。

なので、本の内容を身につけるためにブログを書くというのは、かなりオススメな方法です。

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「時間ほど大切なものはない」

「時間は限られている」

読書をしていて、痛切に感じる言葉です。

 

これから何か新しく勉強や読書を始めたい人。

あるいは、勉強や読書を始めたものの本の読み方がよくわからないという人にとっては、今回の本はとてもいい本だと思います。

 

読書ができるようになるだけではなく、色々な分野に応用して活用できる本だと思います。