【読者レビュー】苫米地英人著「気功洗脳術」【要約】&【感想】
みなさんは、気功を知っていますか?
「気功」という言葉は聞いたことがあるけど、やったこともないし、施術なども受けたことがないという方が多いのではないでしょうか?
気功のことは全く知らなくても、「気」という文字が入った言葉は、私たちの日常生活の中にあふれています。
例えば「元気」「やる気」「気をつける」「気遣い」「気配り」「病気」「気配」「気が合う」など、私たちは「気」という言葉に囲まれて生活しているといってもいいのではないでしょうか?
「気」というものは目に見えるものではありません。
では、目に見えないからといって「気」というのは存在していないのでしょうか?
先ほど紹介した「気」がついている言葉も物理的な実態はないですよね。
ですが、著者は、「気」というのは実在しないが、存在はするというのです。
では、「気」の正体とはいったい何なのでしょうか?
「気」というのは、生命エネルギーのことだと著者は言います。
生命エネルギーというのは、太陽の光から作られるエネルギーのことになります。
食物連鎖の頂点にいる人間は、太陽エネルギーによって作られた野菜や果物を食べて生きています。
また、人間は呼吸をします。
呼吸をすることで、人間は酸素を体の中に取り入れて、エネルギーに変えているのです。
このような食物を食べることで、自分に蓄える気のことを「後天(こうてん)の気」というそうです。
「後天の気」以外に「先天(せんてん)の気」というものもあるそうです。
「先天の気」というのは、親から子供へと代々引き継がれてきた生命エネルギーのことです。
「先天の気」も「後天の気」も物理空間の中での「気」の話になります。
著者は、「気」というのは、物理空間だけでなく、情報空間にも存在するというのです。
情報空間というのは、みなさんが頭の中で考えている考えのことになります。
たとえば、光ファイバーというものがありますよね。
光フィアバーの線を切ってみても、線の中は単に光が通っているだけです。
ですが、光ファイバーの中を通っている光の上には情報が書き込まれているのです。
その情報に価値があるわけです。
「気」についても、光ファイバーの話と同じことがいえるというのです。
なんらかの媒体に書き込まれた情報に価値があるわけです。
つまり、気の本質は「情報」ということになるというのです。
たとえば、気功師が頭痛の患者を治す場合を見てみましょう。
気功師が患者に「頭痛よ、治れ!」と手をかざしただけでは、患者の頭痛は治りません。
気功師の手のひらから「頭痛よ、治れ!」という情報が、患者に伝わることで頭痛が治るというのです。
気功の「功」というのは方法という意味です。
気功というのは、「情報の載せ方」、「情報の伝え方」についての方法論ということなのです。
さらに、気というエネルギーは情報空間からいくらでも取り出すことができるというのです。
ですから、気は無限に存在するものなのです。
そして、この情報空間にある気を「秘伝の気」というのです。
古代中国からある道教という宗教では、秘伝の気をある星から得るという方法を取ります。
つまり、宇宙にある気を利用するというのです。
宇宙の気というと、子供の作り話のように聞こえるかもしれません。
ですが、道教では、先祖代々、秘伝の方法として伝えられている方法なのです。
そして、その方法を受け継いだ者が宇宙の気というものが存在することを強く信じることで、情報空間で気を作り出しているというのです。
そもそも「気功」という言葉はどこから来ているのでしょうか?
「気功」という言葉は、1960年代後半から1970年代前半の文化大革命が起きた中国で作られました。
それまでは、「気功」という言葉はありませんでした。
気功という言葉が作られるまでは、
「導引(どういん)」
「布気(ふき)」
などという言葉で呼ばれていたのです。
気功というのは、もともと古代中国の道教という宗教で行われていた修行の1つです。
導引というのは、道教の修行者が行っていた養生法なのです。
身体の屈伸や、呼吸法によって長生きをしていく術になります。
布気というのは、体中に気を巡らせることで寿命を延ばしていく術になります。
気功の方法は、大きく分けて2つあります。
1つが「養生功」と呼ばれる方法です。
養生功は、自分のために自分の気を使い、自分を高めるという方法になります。
養生功をすることで
・なりたい自分になる
・健康な体を維持していく
・病気を自分で治す
ということができる可能性があるというのです。
もう1つが「秘伝功」と呼ばれる方法です。
秘伝功は、他人に対して気を使っていく方法になります。
・他人の病気を治す
・他人を倒す
・他人と協力的なパートナー関係を作る
といったことができる可能性があるというのです。
古代中国では、皇帝の体はとても神聖なものと考えられていました。
ですから、皇帝が病気になったとしても、医者は皇帝の体に触れることができなかったのです。
そこで用いられたのが、道教の修行者に伝わっていた、門外不出の秘伝功と呼ばれる気功法だったのです。
医者は秘伝功を使って、カーテンやすだれ越しから皇帝を治療していたわけです。
そして、秘伝功の方法はとても効果があったそうです。
何度も皇帝の重い病気を治したといわれているのです。
気功で最初に行うのは、徹底的にリラックスすることです。
体が緊張していると、視野が狭くなってしまうからです。
体を徹底的にリラックスさせる方法としては、ゆっくり呼吸をすることです。
呼吸の回数が少ないほど有効ですが、あまり苦しくならない程度に楽にできる範囲で行えばかまいません。
呼吸のポイントとしては、息を吐くときはあまりこだわらなくてもいいのですが、息を吸うときは鼻から吸うようにすることです。
また、「吐く」「止める」「吸う」「止める」というように、呼吸ごとに一拍間を置くとより効果的になるそうです。
ゆっくり呼吸をする際に、頭の先から順番に筋肉を緩めていきます。
「頭の筋肉を緩める」
「顔の筋肉を緩める」
「首の筋肉を緩める」
「肩の筋肉を緩める」
最後に足の先まで緩めていきます。
そうすると、自分の体についてよくわかるようになるのです。
「頭に緊張があるな」
「おなかに力が入っている」
などと、自分の体を客観的に観ることができるようになってきます。
気功では、「観る」という行為がとても重要になります。
つまり、自分の身体感覚をよく感じるということです。
五感で観て感じると、自分という存在に気づくことができます。
自分という物理的な身体だけではなく、情報的な意味の身体まで含めて気づく必要があります。
では、気功はどのようにすればいいのでしょうか?
いつでもどこでも気を鍛錬する方法があります。
その方法は「ぷるぷる気功」といいます。
この方法は、道家に伝わる秘伝功の奥義中の奥義になります。
この方法を教えてくれたのは、全日本気功師会の張永祥(ちょうえいしょう)先生です。
張先生は、中国の瀋陽で治療院を開いていました。
張先生の治療院はとても人気があり、いつも長蛇の列ができていたそうです。
張先生の治療院の向かい側には瀋陽の日本領事館がありました。
あるとき、元首相の故・田中角栄の秘書が瀋陽の日本領事館を訪れました。
その時、その秘書が大使館の人から、張先生の気功の話を聞いたのです。
当時、田中角栄はいくつかの病気を患っていました。
秘書は「ぜひ、田中先生の病気も診てもらいたい。」
ということになり、張先生は日本に招かれてやってこられた経緯があります。
ぷるぷる気功がどのようなものかは全日本気功師会のサイトで動画を見ることができます。
張先生ご自身がぷるぷる気功を実演されています。
是非、動画を見られて、みなさんも実際にぷるぷる気功を試してみることをお勧めします。
私は、張先生から直接学んだ方から気功を学びました。
つまり、私は張先生の孫弟子にあたる気功師なのです。
対面で行う気功の方法は一通り習いました。
私はこれまで約1年半、毎日ぷるぷる気功をやり続けています。
よほど体調が悪いとき以外は、ほぼ毎日やっています。
時間的には、最後の瞑想まで含めると50分ほどかけてやっています。
私がぷるぷる気功をやり続けてみた感想ですが、エネルギーを浴びているような感覚、身の回りにある気を感じる感覚は鋭くなったように思います。
著者は、気功は病気を治すだけではなく、なりたい人間に変えることもできる方法だといいます。
そのためには5つのステップを踏めばいいというのです。
1 気功で意識が変わりやすい状態を創りだす。
2 意識が変わりやすい状態では、自分が認識している世界を書き換えやすくなる。
3 気功で自分が認識している世界を、なりたい自分(夢)に書き換える。
4 自分が認識している世界を書き換えると、外の世界の変化に対して、生体を安定的な状態に保とうとする機能が揺らいできます。
5 その結果、自動的に夢が実現する。
というのです。
気功をすることで、強烈な臨場感を感じることができるようになるといいます。
それを自分に利用することで、自分のあらゆる夢が実現するというのです。
気功は誰でも簡単にすることができます。
一日10分でもいいので、瞑想のようなところから始めてみられてはいかがでし
ょうか?
心身の健康はもちろんですが、みなさんの夢を実現するきっかけになるかもしれません。