【読書レビュー】亀田潤一郎著「稼ぐ人はなぜ、1円玉を大事にするのか?」【要約】&【感想】
本書は、税理士というお金を扱う職業の著者が、これまで見てきた体験を元にお金について書いているユニークな本です。
もし道ばたに1円玉が落ちていたら、あなたならどうしますか?
著者は「1円玉を拾う」という行為は、案外と奥深い行為だといいます。
「拾うところを誰かに見られたら恥ずかしい」
「1円玉をわざわざ拾うのは面倒だ」
「たかだか1円なんて大した価値がない」
といった気持ちが少しでもあると、1円玉は拾えないというのです。
そして、稼ぐ人は、人目を気にせず、何の躊躇もなく、堂々と、丁寧に「1円玉を拾う」そうです。
著者は、1円という「お金の最小単位」だからこそ、そこにどのような感情を抱くか、どのような態度を示すかによって、お金だけに限らない、周りのあらゆるものに対する価値観や哲学、人生観がありのままに映し出されるというのです。
もし、道に1円玉が落ちていれば、それを拾うには、その1円玉の存在に気が付かなければいけません。
著者は
「この小さな存在に、今のあなたは気が付けるか?」
と試されていることだというのです。
著者は、お金に好かれるためには、小銭を使うときに
「できるだけ小銭が喜ぶような使い方をする」
心がけが重要だといいます。
「余計な小銭はここで使ってしまおう」
「かさばると邪魔だし、重いから」
などという気持ちでお金を使っていないでしょうか?
著者は、小銭が喜ぶお金の支払い方というのは、受け取る側が喜ぶ支払い方だといいます。
「釣銭が出ないように端数をそろえて支払う」
「参加費が決まっているイベントやパーティでは、あらかじめ釣銭がでないように用意しておく」
相手の気持ちや状況をくんだお金のやりとりからは、優しく豊かな感情が生まれるといいます。
このようにして使われたお金は、いずれ大勢のお金を連れて戻ってくるのではというのです。
著者は「財布の中のカードは、1枚に減らしなさい」といいます。
理由のひとつは、できるだけ財布をきれいな状態にキープするためだというのです。
そして、財布の中に入れて移動させるのは「その日使うもの」のみだといいます。
こうすることで、自分の毎日の行動をマネジメントできるというのです。
私もこの話を知って、すぐに財布の中のカード類を整理しました。
以前は、財布のカード入れに入らないカードは、お札入れの中に束にして入れていました。
そして、そのほとんどのカードは、普段、使わないカードばかりなのです。
私の財布には、全部で10か所のカード入れがあります。
ですが、カードを入れるのは、財布を開いたところにある4枚分だけに絞りました。
著者が言う通り
「その日に使うカードを選んで財布に入れる」
ということを実践しました。
時には、ファミマで買い物をするときに
「あっ、Tカード持ってくるの忘れた」
ということが、時々ありました。
ですが、以前のように、いつも膨らんだ状態の財布よりも気分はいいのです。
著者は、お金というのは、ときに気持ちや思いを乗せる「器」になるといいます。
ですが、その気持ちや思いの大きさは、金額では測れないというのです。
著者が、四国八十八か所巡りをしているときに、おばあちゃんから声をかけられたそうです。
そして、そのおばあちゃんは、見ず知らずの著者にぷるぷると震える手で100円玉を1枚差し出してくれたそうです。
著者が受け取ったのは、おばあちゃんが著者に向けた
「最後まで無事にやり通しなさいね」
という気持ちだったというのです。
著者は、このとき初めて、人の思いというのは金額では測れないものだと感じたそうです。
著者は、その100円玉に感じるおばあちゃんの「思い」の重さを感じ、心から「ありがたい」と思ったそうです。
その日以来、お接待でお金をいただいても、金額にはまったくこだわらなくなったそうです。
私はこの話から、1円でも大切なお金として1万円と同じ分け隔てのないマインドで付き合うことの大切さを学びました。
たかが1円玉、されど1円玉なのです。