ドナルド・サル、キャスリーン・アイゼンハート著「シンプルルールズ」について

 あなたは何かするときに、自分でルールを決めていますか?

 例えば、ダイエットをするとき、

  1. 何時以降は食事をしない。
  2. 甘いものは1日1品まで

 などです。

第二次世界大戦の時、負傷兵を怪我の重さや緊急度に応じて、振り分ける「トリアージ」と呼ばれるシステムが取り入れました。

 トリアージというのは、フランス語で「選別」という意味です。

 具体的には、次の3つのルールに従って負傷者を振り分けました。

  1. 指示にしたがえるか
  2. 脈拍数が毎分120未満か
  3. 呼吸数が毎分10以上30未満か

 このルールに基づき、優先順位を示す、識別表(トリアージ・タグ)を負傷者に取り付けて、優先順位順に治療を行っていきました。

 このようにルールをシンプルにすると、覚えやすく、時間も節約でき、集中力も維持しやすくできるのです。

 つまり、ポイントは、ルールはできるだけシンプルなほうがうまくいくのです。

 たとえ時間や情報が限られていても、素早く正確な決断を下すことができるのです。

 シンプルなルールには、次の4つの特徴があります。

  1. ルールの数が少ない
  2. 使う人によって自分が使いやすいように作り替えることができる
  3. 具体的である
  4. 柔軟性がある

 なにか結果を出したいと思うとき、あるいは問題や悩みを解決したいとき、ズバリ効果があるのは、「シンプルなもの」だけなのです。

もう一つの例を紹介しましょう。

アメリカ人とフランス人はどちらも高カロリー食品をこよなく愛する国民ですが、フランス人はアメリカ人に比べて驚くほどスリムな体型をキープしています。

 これは、フランス人は「満腹を感じ始めたところで食べるのをやめている」のに比べ、アメリカ人は「飲み物がなくなったとき」「テレビ番組を見終わったとき」に食べるのをやめているのです。

 フランス人にならい、満腹になる一歩手前でストップする「停止ルール」に従えば、必要以上に食べ過ぎることはないのです。