近藤麻理恵著「人生がときめく片付けの魔法」について
みなさんは、片付けは好きですか?
私は片付け大好きです。
片付け以外にも掃除、洗濯、料理、洗車といった家事全般好きです。
エアコンのフィルターも1か月に1回はきちんと洗っています。
トイレ掃除も大好きです。
洗車はもっと好きです。(笑)
私の夢の1つには
「休みの日には近所の住民の目を気にすることなく思う存分洗車をする」
というのがあるくらいです。(笑)
夏は蚊に噛まれ冬は水が冷たく手がかじかみ辛くしんどいだけではないかと思えますがそれでも好きなものは好きなのです。
部屋でもトイレでも車でもキレイになると嬉しいですよね。
著者は5歳の時から主婦向けの生活雑誌を読んで片付けに目覚めた片付けの達人です。
その後も著者は、学校や自分の家でも新しく仕入れた情報や自分が考えた片付け方法を実践し試行錯誤を繰り返していきます。
そしてとうとう片付けを職業にまでしてしまいました。(笑)
ついには片付けの本まで出版ししかもそれがベストセラーにまでなっています。
著者は片付けでやるべきことは2つしかないと言います。
1つはモノを捨てるかどうか見極めること。
もう1つはモノの定位置を決めること。
この2つができれば誰でも完璧に片付けができるというのです。
みなさんは試験前日になると無性に片付けがしたくなったことはありませんか?
本棚の本やプリントを並べ替えたりファイルに入れ直したり机の中の文房具を整理し始めたりしたことはないでしょうか?
私はしていませんが妹はよくやっていました。(笑)
妹は勉強の途中で急に机の引き出しの中身を全部出し始めるのです。
そんな妹を横で見ていて
「いつも散らかしっぱなしにしているくせに、急に何やっとんやろ?」
「まるで年末の大掃除みたいやん」
「そんなことより、はよ勉強せんとまずいんじゃない?」
と内心思っていました。
そして片付けが終わり片付けの充実感にひたりつつ試験勉強をする素振りがない妹を見て
「何をしよんやろ。勉強時間ないなったやん。いつ勉強するんやろ?」
と思っていました。
ですが試験が終わると翌日からは片付けのことはすっかり忘れてまた元の生活に戻っているのです。
これは心理的に片付けたい「別の何か」があるわけです。
本当は勉強をしなければいけないから心がざわついているのです。
だけど目の前が散らかっていることで「部屋を片付けなきゃ」という心のざわざわが起こり問題のすり替えが起きているのです。
たしかに部屋をすっきりさせると一時的に気分はすっきりします。
ですが心が乱れていた原因=試験勉強は解決されていないのです。
散らかっている状態というのは物理的なこと以外に本当は何か問題があるのです。
それなのに目の前のごちゃごちゃ感でごまかされてしまっているだけなのです。
そのざわざわ感に真剣に向き合ってみましょう。
すると自分が心の底で気にしている本当の問題が浮き彫りになります。
片付けをして部屋がさっぱりきれいになると自然と自分の気持ちや内面に向き合わざるをえなくなります。
目をそらしていた問題に気づかされ、いやがおうでも解決せざるをえなくなります。
片付けは単なる手段であってそれ自体が目的ではないのです。
本当の目的は片付けたあと何をしていくかです。
片付けは毎日してはいけません。
片付けは1回で終わります。
片付けには必ずゴールがあります。
それはあなたの持ち物の定位置をすべて決めた瞬間です。
このゴールさえ決めてしまえばあとは使ったモノを元の場所に戻すだけです。
もはや片付けているという意識さえなくなっているでしょう。
一度完璧な状態を経験してしまうと
「自分もやればできるんだ」
という自信とセルフイメージが変わってきます。
それがその後のあなたの行動に変化をもたらし生き方そのものまで変えていくのです。
片付けのリバウンドを防ぐには
「一気に、短期に、完璧に片付ける」ことです。
そして「まずは、『捨てる』を終わらせる」ことです。
そうすることで正しいマインドが身につきます。
片付けを完璧に終わらせると目の前の景色は劇的にガラリと変わります。
そして誰もがその景色に感動して
「二度と以前のような部屋には住みたくない」
と決意を新たにするのです。
みなさんが片付けをしようと思ったきっかけは何だったでしょうか?
片付けをすることでいったい何を手に入れたいのだと思いますか?
つまり片付けをする目的を考えることです。
これは「理想の暮らしを考える」とも言えるでしょう。
みなさんが「片付いた部屋で生活している様子」をありありとイメージできるくらい具体的に考えてみてください。
そして「なぜ、そんな暮らしがしたいのか」を考えてみてください。
片付けというのは「自分が幸せになるため」にすることですよね。
当たり前のことのようですが今一度、自分でそのことを身体で実感できるまでよく考えてみてください。
私が考える「片付いた部屋での生活」は地震があれば本が崩れ落ちてきて本の下敷きになるような書斎を持つことです。(笑)
木製のどっしりとした机と座り心地の良い椅子に座り外からの明かりだけで十分明るい部屋の中で読書ができれば最高ですね。
本に囲まれ自然の明るさの中で読書をすることは私にとっては最高にぜいたくな時間と空間なのです。
みなさんは何を基準に「捨てるモノ」を選びますか?
著者が出した結論は「触ったときにときめくか」です。
モノを一つひとつ手に取りときめくモノは残しときめかないモノは捨てるのです。
そうしてモノを減らし続けていると、あるとき自分が持つ持ち物の適正量に気がつく瞬間がやってきます。
「一つモノを買ったら一つ捨てましょう」
というように明確にやり方が示されている片付け法もあります。
それらはあくまで他人が作った基準に自分を合わせているだけです。
そのようなやり方をしてもいずれリバウンドしてしまうでしょう。
著者が伝えている片付け方法は「ときめき」とか「適正量が訪れる」というものです。
あくまで片付けをする人の感情が基準です。
基準が自分の心地よさに合っていなければ、一時的にきれいになっても元に戻ってしまうのです。
どんな環境に囲まれていると幸せと感じるかは当人しか決めることができません。
モノを持ったり選んだりすることはきわめて個人的な行為だからです。
だからこそ一つひとつのモノに対して「自分がどう感じるか」に向き合っていくことがとても大事なのです。
一つひとつのモノと真正面から向き合うことでモノは私たちにいろんな感情を呼び起こしてくれます。
そのとき感じた感情は本物です。
その感情こそがこれから生きていくエネルギーに転換されていきます。
ときめくかどうか心にたずねたときのその感情を信じてみてください。
「ときめかない。捨てられない。」
と思ったら次のようにちょっと立ち止まって考えてみてください。
これって「過去に対する執着」で捨てられないのかな?
それとも「未来に対する不安」で捨てられないのかな?
何をどれだけ持つかはまさにどう生きるかと同じことなのです。
「過去に対する執着」や「未来に対する不安」はモノの持ち方だけではなく人との付き合いや将来の進路の選び方などすべての選択基準に通じているのです。
今、自分にとって必要なモノをはっきりさせるにはどうしたらよいのでしょうか?
どこか遠くに探しに行ったり新しく買いに行ったりする必要はありませんよ。
今、自分が持っているモノと丁寧に向き合い、いらないモノを減らしていくだけでいいのです。
本当は部屋の片付けなんてしなくてもいいのです。
なぜなら片付けをしなくても死にませんよね。(笑)
片付けが人生の目的ではないのです。
みなさんは「あなたが本当にときめくこと」に時間と情熱を注いでいますか?
本当の人生は「片付けたあと」に始まるのです。
著者は片付けの話をしていますが
「心理的に片付けたい何かがある」
「片付けにはゴールがある」
「セルフイメージ」
「身体で実感できるまで理想の暮らしを考える」
「自分の心地よさに合った基準に従う」
などコーチングの要素がいたるところに出てきます。
この本が発売された年を考えてもおそらく著者はコーチングのことは知らないでしょう。
ですが言っていることやっていることは片付けを通じてのコーチングです。
片付けという視点からコーチングをみる読み方をしてみると、一度で二度おいしい読書体験がでるのでオススメです。