石川善樹著「疲れない脳をつくる生活習慣」について

あなたは、「人間が1日に使える意思決定の量は限られている」ということをご存知でしたか?

 

朝、どの服を着ていこうかとか、あるいは、ラインでどう返事をしようかと意思決定するたびに、私たちの心はすり減っているのだそうです。

ちょっとびっくりしますよね。

 

では、心のエネルギーが減らないようにするには、どうすればいいのでしょうか?

そのためには、「疲れない脳」をつくればいいのです。

まずは、背筋を伸ばして、深い呼吸をすることです。

2、3分でもいいので、ゆっくりと深い呼吸をしてみてください。

深い呼吸のポイントは、ゆっくり吐くことです。

1日に1回でもいいので、姿勢と呼吸を整える時間をつくってみましょう。

 

その次に、瞑想をしてみることです。

集中力、想像力、記憶力、意思決定、モチベーション、コミュニケーション能力などを向上さ

せる働きが瞑想にはあるのです。

瞑想をするうえで大切なことは、姿勢、呼吸、心を整えるということです。

瞑想開始後は、呼吸に集中できていても、しばらくすると、別のことを考えて、注意が散漫になってしまうこともあります。

そういう時は、一度、呼吸に注意を戻してみましょう。

瞑想は脳の構造そのものを変化させるという研究結果が報告されています。

通称「世界でいちばん幸せな男」と呼ばれている、チベット僧、マシュー・リカードの脳を測定すると、とんでもなく幸せな状態を示しました。

調べてみると、マシューの瞑想中の脳は、他者への思いやりでいっぱいだったそうです。

つまり、苦しい状況にある人に対して思いやりを持つと、私の脳は幸せを感じるようにできているのです。

また、瞑想をして寝てしまうようであれば、瞑想はやめて寝るようにしてください。

 

仕事中心の生活を続けていけば、脳は疲れていく一方です。

ですが、食事や睡眠を生活の中心に置いてしまえば、それが自然とあなたの生活のリズムとして働いてきます。

また、小さな行動を丁寧にすることは、心に余裕を持って生きることとにつながっていきます。

瞑想トレーニングやマインドフルネス・プログラムが目指すのは、「注意の向け方を変える」ことなのです。

これまでの自己啓発は「自分が変わる」ことを目指してきていましたが、、マインドフルネスは、「いまこの瞬間を最大限に味わうこと」を目標にしています。

そのためには、生きる上でもっとも基本的な呼吸や姿勢、睡眠、食事を、これまで以上に大切にすることです。

 

毎日の生活が不安定であれば、やるべきことを効率的にこなすことも、腰をすえて取り組むことも難しいですよね?

ときどき瞑想をして、脳を整えてみてください。

改めて、日常の基礎的な生活習慣を見直してみることで、疲れない脳を手に入れることができます。